NIPPON VEDANTA KYOKAI
Vedanta Society of Japan
不滅の言葉 1965年2号

ラーマクリシュナの誓え話

 一人の王がそのグルから「全宇宙はブラフマンである」というアドヴァイタの真理を教えられました。王は大変に喜んで妃に向かい「妃と侍女とは一つの存在であると聞いた。それ故私は侍女を要ろうと思う」といいました。驚いた妃はすぐにグルをよび迎えてこの事を訴えました。グルは妃を慰めてこう言いました。「今晩食事を上げる時、牛糞を皿に盛って御飯と一緒にお出しなさい。」王とグルとが共に食卓についた時、王はこれを見てどんなに怒ったことか! 然しグルは静かに言いました。「陛下、あなたはアドヴァイタの真理に達しておいでです。何故御飯と牛糞を区別なさいますか」更に怒った王は「この高慢な学者奴、お前自身がこれをたべよ。」グルは承知して直ちに一匹の豚に姿を変え、いかにも美味そうにそれを飯べ終ると再び人間の姿に戻って御前に立ちました。これをみて王は大層恥じ、妃を悲しませたこの無茶な申し出をひっこめたそうです。

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