不滅の言葉 1964年12号

編集後記

 

 本誌も五巻を重ねました。その間には曲折もありまして、必ずしもこの年月に相応しい成果が挙がっているわけではありませんが、今日漸く仕事が軌道に乗った事を感謝しております。もともと一挙に多くの共鳴者を獲得できる性質の仕事ではなく、消極的との批判も受け乍ら方針をまげないで歩き続ける事ができたのは、ひとえに皆様の深い御理解とインド政府の終始変らぬ援助のお蔭でございます。
 昭和三十七年頃には正式の会員は五、六名にも足りませんでした。生きる秘訣とヴェーダーンタ哲学入門が出版されるに及んで全国の未知の友からお便りを戴き、会員は俄かにふえました。いま僅かのところでまだ二百名には達しませんが、退会者が少ないので会員数は尚増加の一途を辿っております。その上近頃は、多くの会員の皆様から物心両面にわたって次第に積極的な御協力を頂くことができる様になりました。これは私共にとって何ものにも優る大きなはげましでございます。
 御承知の通り、当協会は一人または少数の指導者を中心として成り立っている集まりではありません。不滅の言葉の編集者達は、自分達が各自の勉強のために読んで感動し啓発された文献(内外を問わず)は、同じ道に志を持たれる皆様にも何かの形でお役に立つに違いないと信じてこれを材料選択の標準としている次第でございます。それについて会員の皆様の御希望や良い御意見などを承りたいといつも希っております、近く増頁して皆様のための欄を設けることを考慮中でございます。
 そして、いま私共の最大の念願は、ヴィヴェーカーナンダの言葉からかぞえて四冊目のヴィヴェーカーナンダ講演集を世に出すこと、この仕事は直接私共の手でするわけにはゆきませんが、日本教文社にすすめ、これを助けて二冊の書物の出版を実現させたことは今日までの協会の仕事の最大の成果であったと考えております。次なる計画の実現のためにも皆様の御力添えをお願い致します。御多幸な新年をお迎えになる様お祈り申上げます。
 尚会費受領報告は一月号にまとめてさせて頂きます。

   

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